Tuesday, 2004 / 06 / 01

 

猫の飯の店の記事 キャットフードのカタログ

猫がかいた記事 makebono

兄者の協力を得て密かに押し進められていた「育禿計画」が主人に発覚してしまい、吾等の計画は頓挫する寸前にあった。主人は東急ハンズ西武池袋百貨店マツモトキヨシと訪れた事の無い生体販売所数件を廻って来ると云って出て行った。すわ愛しい禿の命もここに尽きなんと思いきや、戻って来た主人は草臥れた袋から大事そうに紙の束を取り出して広げはじめた。

キャットフードカタログ

前にリトルマジック」から頂いた宣伝の紙が面白かったので余所でも集めて来たと云う。取り分け真ん中に写っているロイヤルカナンジャポン(Royal Canin)社の小冊子「フィーラインブリードニュートリション~猫種別フード~」が面白いそうだ。

同社からはメインクーン用の「Maine Coon 31」、暹羅猫用の「Siamese 38」、波斯猫用の「Persian 30」が発売されている。そのための小冊子であろうと主人は云う。「妾しは日本の猫ですことよ」と兄者がそっぽを向く。「まあ、そう怒るなよ」 主人は兄者の尻に付いた日本猫特有の短尾を掴んで乱暴に引き寄せた。「大概の日本猫には暹羅猫の血が交っているんだ。見てみろよ、生まれながらのアスリートだってさ」「妾しはこの写真見たような可笑しな顔なんかしないわ」「いやいや、これは飯の粒を喰っているところの連続写真なんだよ。サップだって粒を噛み砕くのが好きだろう?」「うーん、そうねえ。考えて見ても好くてよ」

何をいちゃいちゃしておるのだ。吾輩はどうした。吾輩には波斯猫の血が交っているはずであろう。吾輩がニャーニャーとやっていたら、主人は頁を繰って「波斯猫は鼻面が豚だな」と吾輩の祖母君かも知れぬ猫を貶める発言をはじめた。「メインクーンの摂食行動は1日あたり9~16回、暹羅猫は8~22回、波斯猫は5~16回」と読み上げる。「つまり――」

「波斯は優雅で小食なお猫柄であるから、御前様も見習って余り飯を喰わないように」

このロイヤルカナンジャポン社の小冊子は近所にある生体販売所で入手して来たらしい。どんな所であったかと云うと「犬用カナンのサンプルが陽の当たる所に山積みしてあった異臭のする店」だそうである。


Wednesday, 2004 / 06 / 02

 

猫の減量の記事 紐式運動

猫がかいた記事 makebono

吾輩は数年前から運動を始めた。吾輩が始めたと云うより主人に無理強いをさせられていると云ったほうが真実に近い。ところがこの家の主人はあらゆる方面に於いて甚だ趣味が悪るい。猫用運動玩具も然りである。妙な音をさせるために怖くて近寄る事の出来ない電動器具だとか、大きくて重くて扱いに困る鞠だとか、逆に小さくて軽くて幾星霜を経て漸く部屋の隅から埃まみれになって発見される似非鼠だとか、どれもこれも一向楽しめないばかりか可成りねだんが張ったそうだ。

(1) まけぼのに紐を差し出しますそこで初期の頃は紐式運動を強いられた。これは去年の写真である。顔の前に妙に長い者を下げられると不愉快な事この上ない。おまけにゆらゆらとして吾輩を嘲っているようにも感じられる。吾輩にはこれを払い除ける権利があろう。かように考えて手を出すと紐は逃げる。兄者であったなら直ぐさま駆け寄ってこれを捕らえる所である。

(2) じゃれているようですが決して起き上がりません吾輩は兄者ほどの尻軽ではないので、紐を追うのではなく誘き寄せて捕らえる算段をしていた。紐でもなかなか健気なもので、相手の力量を知らんうちは抵抗するつもりでいるから面白い。これは少しの間は刺激もあって楽しめるようにも思われるのだが、手先の器用ばかりで総身の筋肉が働かない。紐の源流を辿って見ると主人の姿が見えるのも興醒めである。

(3) 最後には動かなくなりますやっと紐を捕らえてその味を見てやると頗るまずい。ところへ主人がまた紐をすっと抜く。吾輩の獲物を略奪するとは何事であろう。もっと噛めば味が出たかも知れぬと云うのに、捕らえた所を奪われてしまうようでは折角の運動も却って癇癪の種になる。以来紐が出て来ても相手をしてやらない事にした。吾輩はこう見えても忙しいので主人ばかり構ってやる訳にはいかないのである。

近頃は猫運動場が造成されたり、二寸高い椅子が用意されたり、オープンエア・猫ちゃんパークが一日で閉園になったり、主人も足りない頭を捻って工夫をしたと認められる。ただ、所詮足りない頭のやる事であるから、猫運動場には再び紙束が山と隆起しつつあり、三寸高い椅子には根が生えたように座ったぎりであるし、クローズド・猫ちゃんパークでは熱帯雨林の再生運動が盛んに行われている。

運動は成る可くやらない事に取り極めた。運動するものは折助である。


Thursday, 2004 / 06 / 03

 

猫の減量の記事 猫の脂肪肝の原因

猫がかいた記事 makebono

この家の猫飼育情報が大分新らしくなったぞと主人が威張っている。古本屋へ行って今まで持っていた本より新らしいの*117-1を六百五十(650)円で買って来たらしい。元のねだんは千二百(1200)円だから儲けたと云っている。儲けたのは古本屋であって主人では無いように思われる。

「画面に表示される情報は信用ならん。紙に印刷された情報で確認して置かねばおちおち家も空けられぬ」と云って主人は飛ばし読みをはじめた。「ねこのお医者さん」がかいた本で、なかなか評判が好いそうだ。

脂肪肝
[原因]
 肝臓の病気の一種である脂肪肝は、ねこに多く、肝臓の中に過度の脂肪が沈着してしまう病気です。そのため肝細胞の機能に障害が起き、胆汁の流れも阻害されます。
 脂肪肝が起こるのは、肥満、糖尿病、激しい細菌感染などが長期にわたって続いた場合と、肥満のねこが1日半以上絶食したときです。原因不明で起こる持発性のものもあります。

主人は飛ばし読みをして同じ所だけを何度も読んでいる。

肥満のねこが1日半以上絶食したときです。

「この1日半ってのは36時間か」と兄者に相談している。兄者の返事はニャーである。

主人は紙に印刷された情報を画面に表示される情報に変えている。信用ならん情報を蔓延らせているのは主人のような輩ではなかろうか。

肥満のねこが1日半以上絶食したときです。

「よっしゃ」と叫んで主人は鶏魚釣りへ出掛けて行った。肝心の本を読み了ったのはそれから大分経ってからのようである。

*117-1: 石田卓夫著, ねこのお医者さん, 講談社, 1994。

Friday, 2004 / 06 / 04

 

猫の減量の記事 痩せゆく猫

猫がかいた記事 makebono

甚だ疑わしい主人の計算によると、吾輩はもう死んでいるそうである。死んでいるので水分が蒸発して目方が減っているのではないかと云う。失敬な話だ。

ある日、吾輩は気が向いたので自分で尻を拭おうとしていた*119-1。すると主人が目を輝かせて吾輩を秤へ載せに来る。数字が変わっていると云う。数日の間これを繰り返して、漸く減量成功を確信するに至ったようである。「イキイキ猫ちゃん★ダイエットブログ」の開始から幾月余、一月に凡そ五十匁(200g)ずつ順調に痩せているように思われる。これも偏に吾輩の尽力の賜であろう。人間の目から見ると遅いように感じられるか知れないが、吾輩はこの体躯を維持せんがために血管等を移動させてあるし、もう若く無い事でもあるし、このくらいの調子で勘弁して頂きたい。九月の予防接種までにもう一斤(600g)ほど減量をと主人は云って来る。厭である。

主人は本日を以て計量記念日を制定すると宣言し、記念撮影を行うべく写真機を構えた。先日伸びていた所を公開したら散々な云われようであったので縮めと云う。痩せた記念であるから腹を引いて肉を隠せと云う。

まけぼの腹を引く

肉を隠すのは思ったよりむずかしい者である。吾輩は先天的肉を隠す能力がないのか知らん。

*119-1: 吾輩は太り過ぎで舌が届かない高貴な猫であるので下の世話は兄者や主人へ任せる事にしておる。

吾輩の肉は兄者へ少し分けてやった。


 

猫の草の記事 育たない無印猫草

猫がかいた記事 makebono

無印良品猫草栽培セットは二箱組で税込価格二百十(210)円と比較的安価な上に、猫が倒しても土がちらばらず、お手入れが簡単で、上手に栽培できると聞いている。

育たない無印猫草これは何と云う草であろうか。妙に青々としているが妙に短くまた太く、どうも疎らにしか生えていない。写真には写らずに済んでいるが、穂先のほうは枯れはじめているようだ。

主人は猫草が甘く育ったのを自慢した日の翌日から育てはじめた「無印猫草」であるぞと主張している。旬が来るまでの日数は七日から十日が目安で、これは既に十二日が経過しているから喰えと云う。吾輩は挑戦だけはやってみたが、こうも短くては喰うに喰えぬ。

どんなお部屋に置いてもなじむ、すっきりとしたデザインの猫草を屋外に置いて陽に当てながら育てたのが原因であると思われる。朝のうちに丼と云う鉢受に水を張った猫草のほうは昼過ぎには空になっている。主人は「鳩野郎が来て水を飲んでいやがるに違ない」と云っているが、兄者の話では「来てねーよ」だそうである。

もう一週間ほど経った日に、もう少し育っている写真が撮影された。右下に写っているのが今日になって慌てて育てはじめられた無印猫草で、その後ろにある屑見たようなのが今日撮影された無印猫草である。


Saturday, 2004 / 06 / 05

 

猫の湿った飯 鶏魚の刺身

猫がかいた記事 makebono

吾輩と兄者に鶏魚を釣って来ると主人が云っている。今日は天気が好いので釣り日和だそうだ。

前もって「大物が釣れたよ!」写真を捏造して置こうと主人が云い出した。明け方の四時に迷惑な話である。うっかり拒食症の主人(42.4kg)が吾輩(9.2kg)を片手で抱えて、もう片方の手で写真機を操作すると云うのは無理があるように思われる。

大物を釣り上げたマルセル・マルソオの亡霊案の定マルセル・マルソオの亡霊*121-1が呼び出されてしまった。

主人のいない家は平和でいいものである。心持善く昼寝をしていると兄者が真面目な貌で「奴の釣って来る魚は不衛生に違ないから喰うな」と云って来た。東京の海は汚ない上に主人が碌でも無い遊びしながら釣りをやるから危ないようだ。

夜になって主人が帰って来た。近頃は海洋資源保全のための再放流運動が盛んに行われているそうで、小さな片口鰯を釣り上げた人が船底に叩き付けて海に帰してやる光景が彼方此方で観察されたと云う。鰯を愛する主人は魚類愛護の精神を声高に訴え、船底で苦しむ鰯ちゃんたちを保護してやったらしい。片口鰯は魚油用、肥料用、家畜飼料用に大量に漁獲される魚である。

*121-1: Marcel Marceau(仏 1923~)。現代パントマイムの神様。神様は既にお亡くなりになったものと考えていたが特に寿命は無いようだ。

鶏魚の刺身原材料:
スズキ目イサキ科イサキ属 ウリンボウ (東京湾)

栄養成分(100gあたり):*121-2
蛋白質 17.2g・脂肪 5.3g・繊維 0.0g・灰分 1.4g・水分 76.0g・糖質 0.1g・カルシウム 45mg・リン 180mg・鉄 1.0g・ナトリウム 160mg・カリウム 300mg

カロリー: 123 kcal / 100g

価格: 19,013円 / 日

そのほか: 魚介類中の水銀濃度平均 0.61mg / 100g*121-3

猫またぎ


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